- TOEFL100点を突破するには、どれくらい期間が必要か?
- 何から勉強すればいいのか?
- 各セクションの目標スコア
「日本の社会人は、毎日3時間も4時間も英語学習に時間を割けない。」
そんな現実を受け入れつつ、ITエンジニアがTOEFL100点突破に挑んだ記録です。
僕たち社会人でも、無理なく効率的に進められる「TOEFL100点突破計画」を示したいと思い、書いています。
※細かいTipsとかは不要で、とにかく急ぎで「必要になる本」や「実践的なトレーニング方法」のみを知りたい方は「最終話」をお読みください。
Contents
準備に必要な期間は?
- 100点超えなら、5~8ヵ月程度を見ておく
- 英文法は必須条件かつ最優先事項
- 単語帳は「TOEFLテスト英単語3800」
3~8ヵ月程度の中長期戦を覚悟する
TOEFL100点とはつまり、世界のエリートたちの英語力です。
アメリカ名門大学の多くは、入学条件にそれを求めています。
コチラによると、僕でも知っているような超有名大学(マサチューセッツ工科大学・スタンフォード大学・UCLAなど)もその1つです。
英語圏に長く住んでいれば到達できるわけでもありません。
僕の知り合いでカナダに約4年以上住むオンライン英会話講師の女性は、90点台で伸び悩んだまま諦めたそうです。
この難関を1~2ヵ月で突破する、才能と時間に恵まれた人たちがいるのも事実ですが、僕のような社会人はTOEFL対策に毎日何時間も費やすことはできません。
現在、日本人のTOEFL平均スコアは72点。
そこから考えると、現実的な計画として5~8ヵ月程度の中長期戦を覚悟しておくと良さそうですね。
現在のスコア | +10点に 必要な時間 |
100点までの 勉強時間 |
毎日2時間 勉強の場合 |
毎日3時間 勉強の場合 |
---|---|---|---|---|
50 | 100 | 650 | 11ヵ月 | 7ヵ月 |
60 | 100 | 550 | 9ヵ月 | 6ヵ月 |
70 | 150 | 450 | 8ヵ月 | 5ヵ月 |
80 | 150 | 300 | 5ヵ月 | 3ヵ月 |
90 | 150 | 150 | 3ヵ月 | 2ヵ月 |
※僕の経験をもとにした目安表。あくまでも、机上の計算値です。
不慮の事態が起こらない前提、かつ80~90点台で停滞しなかった場合を想定した楽観的予測です。
まず、文法力の完成が最優先
TOEFL100点以上を目指すなら、最も重視すべきは英文法の強化。
語彙力や試験慣れは、その次です。
アカデミックな英語の運用能力を測るTOEFLで得点するには、本質的(essential)な英語力が必要。
英文法を愚かにしていると、80~90点台で足踏みします。
英文法をやっていくと、以下の順でスコアに反映されます。
- 最初にリーディングスコアが上がる
- 同時に、(音に慣れる練習も必要ですが)リスニングスコアが上がってくる
- 正確な英文がわかるので、書く際にもそれが役立つ
→ライティングスコアが一気に上がる
文法力の完成には、3ヵ月程度しっかりと時間を使っても大丈夫です。
それも最初の3ヵ月です!
3ヵ月以上学習を続けると、最初に比べてモチベーションは下がっていきますから、最も大切な英文法は最も士気が高いうちにやりましょう。
学習方法について、僕からは2つ提案があります。
1つは、高校の英語教師をしている友人が英文法を身につけた方法。
彼は以下の本を使い、独学で英文法を身につけました。
※当時彼はまだ大学生だったので、時間に余裕はあったと思います。
もう1つは、僕自身が英文法を身につけた方法。
実は僕も上の本を持っているのですが、ページ数が多過ぎてすぐにやる気を失ってしまいました。。
「英語の中でも一番やりたくない英文法、なんとか手っ取り早く終わらせることはできないかな?」と思い、スクールも検討しました。
結果、「Liberty English Academy」というスクールで学び、約2ヵ月でTOEFL長文が正確に読める程度の英文法力が身につきました。
※最終的なリーディングスコアは29点です(‘◇’)ゞ
友人と比較すると、自分の場合は時間がない代わりに使えるお金があった感じです。
単語対策は「TOEFLテスト英単語3800」
TOEFLにおける単語対策は、英検と比べると重要度は低いかもしれません。
しかし、TOEFL特有のアカデミックな単語を知っている方が、戦いが有利になるのは当然です。
例えば、以下のような単語を覚えておきたいです。
<TOEFL頻出・アカデミック単語例>
algae: 藻類
fungus: 菌類
invertebrate: 無脊椎動物
rodent: げっ歯動物(ねずみ、うさぎなど)
対策本は「TOEFLテスト英単語3800」だけでOKです。
みんなこれを使っています。
(2024/11/21 14:37:16時点 楽天市場調べ-詳細)
100点取得への、現実的なスコア配分
- R:27, L:27, S:22, W:24
- リーディング&リスニングの合算で、54点(9割)
- 独学でのスピーキング高得点は期待薄
- シンプルなライティングで、24点(8割)
R:27, L:27, S:22, W:24
僕たち日本人がTOEFL100点を目指す時の、現実的なスコア配分は以下の通りです。
セクション | 単語暗記 |
---|---|
リーディング(R) | 27 / 30 |
リスニング(L) | 27 / 30 |
スピーキング(S) | 22 / 30 |
ライティング(W) | 24 / 30 |
合計 | 100 / 120 |
R&Lの合算で、54点を稼ぐ
TOEFL対策では、リーディング&リスニングを重視してください。
理由は2つあります。
- 日本人は、リーディング&リスニングのスコアが伸びやすい
義務教育から一貫してリーディング&リスニングに重点を置いた英語学習を続けてきた僕たちは、やはりこの2セクションに強みがあります。
逆にアウトプットの練習は少なかったため、スピーキング&ライティングで点数を稼ぐのは苦手な傾向にあります。
- リーディング・リスニング力は、スピーキング&ライティングにも必要
TOEFLのスピーキング&ライティングは、他の試験と違って完全にユニーク。
特に「Integrated Task」と呼ばれる問題は、まずある程度難しい英文を読み・聞きした後、それに関する内容のアウトプットが求められます。
つまりインプットができないと、そもそもアウトプットにいけない仕組みです。
以上のことから、日本人がTOEFL100点越えを目指すのであれば、リーディング&リスニング重視の学習が近道であると言えます。
リーディング&リスニングの合算で54点(9割)を目指しましょう!
Sの独学スコアアップは困難
スピーキングは僕たちにとって、最もスコアを上げにくいセクションです。
現在、日本人のスピーキング平均スコアは17点で、これは世界最低なんですξ
僕自身も例外ではなく・・・
オンライン英会話とかも頑張ったけど、掛けた時間のわりに全然スコアは伸びませんでした。
※結局「+2点」のみです^^;
TOEFLが見ているのはコミュニケーション力ではなく、本質的(essential)かつアカデミック(academic)な英語の運用能力。
流暢に喋れても、求められている評価ポイントから乖離していることがあるのです。
そしてこれは、独学だと気づきにくいものです。
もし目標となる22点からかけ離れている場合、TOEFLに精通したコーチに指導してもらう方がいいと思います。
Wはシンプルに書いても、24点(8割)取れる
ライティングで目指すべきスコアはまず24点(8割)です。
8割程度であればシンプルな構成・内容であっても得点できるためです。
ただし、英文法とスペルにミスが(ほぼ)なければ。
目標を明確にしましょう。
この計画は「TOEFL100点突破計画」です。110点や満点ではありません。
「内容以前に、本質的なところで、あなた正しく英文書けるの?」という点をTOEFLは一番見てきます。
だからやはり、英文法を矯正していきましょう。
そうすれば、ライティングに特化した対策はせずとも、ある時を境にスコアは一気に24点以上に達します。
僕自身も、それを経験した一人ですから。
日々の学習時間
- 英語力底上げ期間: ~2時間
- 試験前4週間(平日): 2時間~
- 試験前4週間(休日): 6時間程度
英語力底上げ期間: 2時間
- 英文法の強化: 1~1.5時間
- 単語暗記: 30~40分
TOEFL100点以上を目指すなら、最初の数ヵ月間は準備期間と捉え、腰を据えて英文法に取り組みます。
そして同時に、TOEFL特有の単語も覚えていきましょう。
英文法は毎日、1~1.5時間程度。
単語は隙間時間も使い、30~40分割ければOKです。
(僕も、電車の中で単語帳を開いていました。)
すると、日々の学習時間は1.5~2時間程度。
僕らでも、現実的に継続可能な時間になります。
試験前4週間(平日): 2~2.5時間
- TOEFLリーディング記事を1つ読む: 40分
- TOEFLリスニング3タスクに回答 → シャドーイング: 1時間
- *スピーキングを通しで1回分 → 復習: 1時間
*時間があれば
英文法の勉強が一区切りついたら、試験慣れを意識した学習をしていきます。
リーディングとリスニングの練習は毎日。
そして時間がある日は、スピーキングもやります。
各練習には一度解いた過去問や、Web上のマテリアル(例えば「JASON TOEFL CLASS」)を使います。
リーディング
TOEFLリーディング記事を1つ(約700words)読む
リーディングスピードを上げることが目的です。
- 1記事を、6分以内を目安にブツブツ読む (約120wpm)
- 7~8分で、ゆっくりめにブツブツ読む (約100wpm)
- 単語・文法を調べながら、じっくり音読
- 5~6分で音読できるまで繰り返し練習 (約130~140wpm)
※wpm (word per minute): 1分間の読む単語数です。
※設問には答えなくてもいいです。答えるとしたら、②のあとにやりましょう。
1点注意して欲しいのが、頑張っても③の理解度が9割に満たないようであれば、この練習はあまり意味がありません。
英語力の底上げに、もう少し時間を費やすべきです。
リスニング
TOEFLリスニング3タスクに回答 → シャドーイング
音自体を聞き取る力を上げることが目的です。
内容理解のプロセスはリーディングと同じなので、そちらでカバーされています。
- まずは普通に回答 (3タスク分)
- 各タスク毎に、スクリプト確認
- 1回、オーバーラッピング(聞きながら同時に音読)
- 完成度9割以上になるまで、繰り返しシャドーイング
※最初は等倍で構いませんが、慣れてきたら1.25倍でやりましょう。
スピーキング
*スピーキングを通しで1回分 → 復習
スピーキングのスピード感と、メモ取りに慣れることが目的です。
- 回答&レコーディング
- レコーディングを聞き返し、内容を最適化したスクリプトを作成
(うまく出来なかった2タスク分) - 作成したスクリプトを制限時間内に喋る練習
※②のスクリプトは凝り過ぎず、現実的に制限時間内に喋れる内容に留めてください。
※③では、最終的にスクリプト無しである程度喋れるまで練習。
試験前4週間(休日): 6時間程度
- 過去問を通しで解く: 180分
- スピーキング復習: 90分
- ライティング復習: 60分
※②③の復習では、自分なりに単語・文法・内容的に完璧な文章を作ります。
さらに②については、制限時間内に言えるようになるまで繰り返し練習します。
週に1度は、公式問題集を利用して過去問を解くようにしましょう。
写真の青い本はETS公認ガイドブック(日本語版)です。
赤い本は過去問で、Volume1・2と2冊あります。
※過去問は頻繁にアップデートされるのと、TOEFL公式サイトから購入できるeBook版の方がおすすめなので商品リンク貼っていません。
eBook版はリーディングのPDFがあったり、リスニングの音声も分かれているため復習がやりやすかったです。
月に一度は模試も受けてみよう!
進歩確認とモチベーション維持のため、月に一度くらいは模試を受けてみるといいでしょう。
TOEFL Practice Onlineという、TOEFLの公式模試が約5,000円で受けられます。
また自身の経験から、スコアの信頼性もかなり高いと言えます。
あとがき (物語調)
「英語は世界レベルだよ。」
英検1級を取った時。
「さすがにもう、英語はいいかな?」と思った。
その一方で、英語が圧倒的にできるようになった手応えはなく、少し虚しかった。
「英語の勉強は、いつまで続くんだろう。
何をすれば『英語をマスターした』と感じるのだろう?
・・・世界のレベル感とかって、どうなんだろう?」
- 英検1級
→「日本で、英語ができる人」 - TOEICで900点以上
→「東アジアで、英語ができる人」 - TOEFLで100点以上
→「世界で、英語ができる人」
TOEFLスコア100点は、アメリカ超名門大学の入学条件。
マサチューセッツ工科大学・スタンフォード大学・ハーバード大学などがその一例。
もちろん、そこで学ぶ超エリートたちに僕が敵うものは何一つない。
でも、英語に関しては彼らと同じレベルに並べる・・・もしTOEFL100点を突破できたならば。
「少なくとも、英語は世界レベルだよ。」と、言える自分になりたい。
それを英語学習のゴールにすることにした。
【TOEFL100点突破計画】~時間と予算を見積り、実行する~
さぁ、計画を具体化していこう。
- ゴールは何か?
「TOEFL iBT」で100点を超えること。
- ゴールまでの距離、現在地は?
ネットを調べる限り、僕の英語力(英検1級程度)ではTOEFL90点台らしい。
数字でいうと、10~15%程度の英語力アップが必要だ。
- いつまでに達成するか?
短期(3~4ヵ月以内)の達成を目指す。
2019年11月から対策を開始し、2020年2月までには終わらせよう。
- 予算はいくらか?
短期間で終わらせたいが、仕事をしながらになるので、勉強だけに多くの時間を割くことはできない。
スクールの利用も検討し、予算は約30万円(+受験料)としよう。
- どうやって達成するか?
- 予算: 約30万円
- 日々の勉強時間: 2時間以内
- 短期間でのTOEFLスコアアップ
これが実現できそうだったのが、「Liberty English Academy」。
ここで3ヵ月間勉強する。
- 進捗の確認方法は?
毎月1回は模擬試験を受験し、スコアの推移をモニタリングする。
- 計画通りに進まなかったら?
予算はあまり増やせないため、バッファとして2ヵ月程度の自習期間も見ておこう。
闇雲に進めるのではなく、目標を決めたら時間と予算を見積もって実行する。
これが社会人のやり方だ。