ITエンジニアの僕(英検4級)が、英検1級を受けてみました。
真っ向勝負ではとても敵わないので、勉強効率や時間配分を工夫し、戦略的に合格を目指した時の記録です。
- 「スピーキング試験って、どんな能力が求められるの?」
- 「準備としては、何をしておくべきか?」
- 「そもそも英語が喋れない・・・どうしよう。。」
今回はスピーキング対策について書きました。
この記事を読めば、冒頭のような疑問を解消することができます。
※記事を読むだけでなく、手を動かし、声に出して練習することをおススメします!
Contents
スピーキング試験の流れ
- 公式のアニメーションを見て、全体の流れを把握する
- 良い印象を与えることも、意識しておく
【公式】バーチャル2次試験
2次試験(面接)の流れを把握するために、まずは英検の公式HPにのっているアニメーションを見てください。
その後、僕からも細かいポイントを説明します。
※flashという、少し古いプログラムで作られています。
アニメーションを見るには、これを有効にする必要があります。
心構え
2次試験は面接です。
そのため英語力だけで戦うのではなく、印象を良くすることも頭の片隅に置いておきましょう。
僕が見た感じでは、目の前にいる試験官がその場で採点をしているように思いました。
相手は人間です。
なので、さきのアニメーションよりはもう少し人間らしく、丁寧でフレンドリーなふるまいを心掛けましょう。
その方が、自分もスピーチしやすくなりますから。
入室
- 扉をノックする。
- 「May I come in?」など、声を掛けて入室する。
- 「Hi, how are you?
May I put my bag here?」など、適当に話しかける。 - 「Please, have a seat.」と言われるので「Thank you.」と言い、着席する。
日常会話 (2分程度)
- 試験官の自己紹介後、名前を聞かれる。
受験者名の確認なので、普通に「My name is XXXX.」と答える。 - 「How long did you take to come here?」など聞かれるので、適当に答える。
*
例)
「It took 20min by train. Not so far.
And I arrived here 10min before the reception closes.」 - 「Could you introduce yourself?」と言われるので、自分の仕事や趣味の話をする。
日常会話のパートは、かなり自由に話して大丈夫です。
「試験官と仲良くなろう!」くらいの気持ちで、リラックスして話しましょう。
相手に質問して、会話に巻き込んだりするのもよいでしょう。
ここでよい雰囲気を作っておけたら、ベストです^^
例)
「I am a software engineer, freelance one.
Because I work remotely, I don’t need to take a train every morning.
This is one of the best thing to work as freelance engineer.
Do you like to take a train in morning in Tokyo lol?」
「On the weekend, I often watch English TV dramas. I love it!!
Do you watch TV dramas?」
スピーチの準備 (1分)
- スピーチのトピックが5つ書かれた紙を渡される。
- 1分以内にトピックを1つ選んで、準備してくださいと言われる。
- 1分以内にトピックを1つ選び、頭の中でスピーチの流れを組み立てる。
- 「Please tell us which topic you chose.」と言われるので、どれを選んだか伝える。
例)
「Every topic looks interesting.
But I chose the second one, “XXXXXXXX”.」
スピーチ (2分)
- 試験官が始めるよう合図をする。
- 「I’m a bit nervous. But, OK, I’m ready.」などと言い、2分間のスピーチを開始する。
※なお、カードは見ることができる。
Q&A (4分)
- 選んだトピックに関することや、自分がスピーチで喋った意見についての質問を受けるので、適切に応答する。
退室
- 「Thank you. Have a nice day!!」など言い、教室から立ち去る。
2次試験の具体的な準備
- トピックをかき集め、理由を英訳する
- 実際にスピーチを行い、口に言葉を詰め込み、録音する
- 自信が無ければ、1ヵ月でいいから英会話サービスを利用する
対策方針
「2次試験の合否はショートスピーチの出来が命」といったような感覚があるかもしれませんが、僕が受けてみた感じではそうでもありませんでした。
ショートスピーチでこけても、その後の質疑応答でしっかりと受け答えできれば十分に挽回が可能です。
※僕がまさに、そんな感じだったと思います。。。
スピーチする能力と、純粋な会話力の両方が等しく評価されていると考えてください。
① ネタをかき集める【僕のネタ帳】
では、早速やって行きましょう。
※ライティング対策と重複する部分が多いので、こちらも参考にしてみてください。
ただし、スピーキングの方がもう少し大変です。
- トピックをかき集める
- それに賛成 / 反対の立場を示す
- 賛成 / 反対する理由を2つずつ調べる
- 理由を英訳する
- 解決案を考える
まず、ネタ探し。
英検1級が特に好むトピックを大雑把に分類すると、以下になります。
- 環境
- 教育
- 経済
- 科学
- 社会問題
- 国際情勢
- 芸術
- 報道
- 犯罪
これに関連するトピックを過去問や他サイトなどから、30個程度かき集めてください。
ただし、精通している分野のみで大丈夫です!
スピーキングはリスニングとは違い、5個のトピックから1つを選択することができます。
そのため、まったく知らないカテゴリに手を出す必要はありません。
だいたい、5~6カテゴリをカバーできていればOKです。
- 【環境】Is the fossil-fuel era coming to an end?
- 【環境】Does more need to be done to create a sustainable global fishing industry?
- 【環境】Can the human race live in harmony with the natural world?
- 【報道】Has the quality of journalism declined in the digital age?
- 【報道】Should investigative reporting play a bigger role in Japanese journalism?
- 【報道】The media exaggerates the problem of juvenile crime?
- 【報道】Will printed newspapers become obsolete in the Internet-driven 21th century?
- 【報道】Does the mass media play a positive role in society?
- 【世界情勢】Is world peace an achievable goal in the modern world?
- 【世界情勢】Can terrorism ever be eliminated?
- 【世界情勢】Are war and violence inevitable in human society?
- 【世界情勢】Is economic inequality in society inevitable?
- 【世界情勢】Can world hunger ever be eliminated?
- 【犯罪】Should more be done to combat extremism on the Internet?
- 【犯罪】Are the threats to society posed by the Internet being taken seriously enough?
- 【犯罪】Should people have the right to own firearms for self-defense?
- 【犯罪】Alcohol is more damaging to society than tobacco?
- 【犯罪】Does the death penalty deter people from committing crimes?
- 【犯罪(国内)】Are the police in Japan equipped to deal with the challenges of a modern society?
- 【犯罪(国内)】Are the police doing enough to combat crime?
- 【犯罪(国内)】Is Japan doing enough to ensure its national security?
- 【社会問題】Is it possible for developed countries to sustain present standards of living?
- 【社会問題】Japan’s predicted labor shortage will cause a national crisis?
- 【社会問題】Can the Japanese economy stay competitive in the 21th century?
※僕自身が受験する際も参照させていただいたサイトがいくつかあり、とても助かりました。
サイト管理者の方々には、大変感謝しております。ありがとうございました。
次に、集めたトピックに対して、自分が賛成か反対(Y/N)を示します。
そして、そう考える理由を2つ調べてください。
※3つの理由を述べる方がベターとされていますが、僕はオススメはしません。
2分間で3つの理由を述べるのは、時間が足りなくなる可能性が非常に高いからです。
そしたら次に、理由をすべて英訳します。
こうすることで無駄なBrain Fart(※)が減り、スピーチが締まります。
※brain fart: 会話中に「えーと」とか「うーんと」とかいうこと。
最後にもう1つ、質疑応答対策として自分なりの解決案も考えておくとよいです。
聞かれる質問はトピックに沿ったものになりますので、ある程度予想がつくはずです。
そうすると、ライティング対策の時に作ったようなリストが出来上がります。
表が複雑なので、今回はコチラから元のエクセルファイルをダウンロードして確認してみてください。
② 実際にスピーチを行う【僕のスピーチ例】
準備ができたら、2分間以内に喋る練習をします。
以下、僕のスピーチ例です。
Is the fossil-fuel era coming to an end?
・カテゴリ: 環境
・立場: 賛成
<理由1>
As we know, natural resources are decreasing year by year.
I think it will be depleted much quicker than any predictions especially when we are thinking about this rapid pace of population growth.
Population keeps increasing and it is said that our population will reach 10 billions around 2050, which means we may need 3 earths to support this huge number of people.
So, it is obvious natural resources will be depleted in near future.
<理由2>
Global warming is getting more serious problem.
But our main energy source is still fossil-fuel which makes green-house gas.
Global warming damages earth a lot, like dry weather damages agriculture and warmer water changes ocean environment and kills many fish.
In conclusion, we must cooperate globally to deal with this crucial situation and protect environment for our future also for the next generations.
実際に喋ってみると分かるかと思いますが、2分間は意外と短いため、うろ覚えの状態ではタイムオーバーしてしまいます。
また、序論・結論を長くする必要もないです。
すぐに本論に入り、作ったリストの内容を言い切り、スパッと終わらせましょう。
僕のスピーチ例も非常にシンプル構成ですが、それでも1分40秒も掛かっています。
<序論>
I believe (トピック) is (賛成/反対).
I have two reasons.
<本論>
The first reason is that (1つ目の理由).
The second reason is that (2つ目の理由).
そのまま→<結論>
本番では口籠ることもあるかと思います。
もしそうなっても焦らないよう、練習では実際にタイムを計り、喋りながら口に言葉を詰め込むくらいの気持ちで覚えましょう。
そして、練習した音声は毎回録音し、聞き直しましょう。
自分の英語音声を聞くと「なんだ、こんなに下手なのか。。。」と落ち込むことがあります(´・ω・`)
しかしこれは、英語上級者はみんな行っている、効率的なスピーキング練習方法の1つです。
③ Q&A対策について
スピーチ後の質疑応答は、純粋に英会話力が求められます。
(さんざん戦術がどうだとか書いてきましたが、ここだけは何も思い付きません。。)
存分に、自分の英会話力で戦いましょう!
自信が無い方に1つティップを送るとしたら・・・
1ヵ月だけでもいいので、毎日英語を喋りましょう。
2次試験に進んだということは、1次試験のリスニングと英作文を超えてきているので、会話のベースになる力はあります。
会話ができない理由は、シンプルに話すこと自体に慣れてないだけです。
1次試験の合格通知から、2次試験までは1ヵ月弱の時間があるはずです。
一番手軽で安く済むオンライン英会話でいいので、試験日まで毎日続けましょう!
まとめ (物語調)
一度きりのチャンス
1次試験の合格通知を受け取った時、こんな考えが頭をよぎった。
「一度1次試験を通ると、この先2回は1次試験が免除される。
そしたらもし今回がダメでも、2次試験単体であと2回受験できる。
3回も2次試験を受けるチャンスがあれば、さすがに1回くらいは受かるだろう。」
でも、すぐに改めた。
「いや、それは違う・・・チャンスは3回もない。
『英検1級・一発合格』の機会は、今回の一度きりなんだから!」
僕は英語を喋ること自体には、慣れている。
勉強を決める前、英検1級で唯一通用する自信があったのは、素のスピーキング力だ。
そしたらもう、やることは決まっている。
「ネタ仕込むぞっ( ゚Д゚)!!」
この作業も一度ライティング対策で行っていたので、そこまで苦痛ではない。
むしろトピックを1つ暗記していく毎に「英検1級合格」という不可能だった夢に近づいていく実感は、心地よいものであった。