ITエンジニアの僕(英検4級)が、英検1級を受けてみました。
真っ向勝負ではとても敵わないので、勉強効率や時間配分を工夫し、戦略的に合格を目指した時の記録です。
英検3級に3回落ちた、中学時代
英語は、一番苦手な科目でした。
英検1級の受験を決意した、2018年の秋口。
パラパラと過去問(筆記試験Part1)を見れば、
選択肢の中に知っている単語は、1つもありません。
「これは・・・5~6回位受けて、偶然で合格すればラッキー?」
そんな僕も、2019年3月に英検1級に合格することができました。
今回は偶然を必然にした僕の戦略・戦術について、まとめました。
必ず役に立つので、受験する方は是非参考にしてみてください。
Contents
全体の戦略
- 単語帳 & 過去問を購入する
- 単語を覚える期間を、全体の学習時間とする
結論: 「英検1級は単語ゲーム」
そもそも結論から言ってしまうと・・・「英検1級は単語ゲーム」です。
知っている単語数と、合格率は正比例すると言っても過言ではありません。
このゲームを制するために、必要になるのが単語帳。
そして、単語帳はこの1冊で大丈夫です。
(2024/09/14 17:06:14時点 楽天市場調べ-詳細)
また試験の練習のために、過去問が必要になります。
過去問もこの1冊で大丈夫。
実際に、僕もそれのみで闘いました。
※僕が受けた時は別売のCDが必要だったので、画像は3冊になっています。
学習期間
学習計画は、以下のように考えてください。
英検1級の学習期間 ≒ 単語対策の時間
先程の単語帳「英検1級でる順パス単」には、2,400語収録されており、これを毎日どれくらいのペースで進めていくかで学習期間は決まります。
僕は、学習期間を6ヵ月と見積もりました。
2,400語 ÷ 20個(1日) = 120日(6ヵ月)
既に知っている単語もあったので、結果的に勉強期間は5ヵ月でした。
学習計画については、第1話により詳しく書いております。
リーディングの戦略
- 「単語 >>> 長文」の比重で、日々学習する
- 本番の時間配分を理解 & 厳守する
戦略: 得点効率最大化
英検1級のリーディングは、語彙問題(Part1)と長文問題(Part2, 3)から成っていますが、得点効率を考えた場合、単語対策により多くの時間を割くのが正解です。
第2話にその根拠を書いているので、引用します。
英検のリーディングパートは、全体で41問。
語彙問題(Part1): 25問
長文問題(Part2, 3, 4): 16問
===============
合格ライン7割: 28.7問
もし当日、運悪く語彙問題で4割の正答率となってしまったら、長文問題で全問正解しても確実に落ちる。
語彙25問 × 40% (10問)
+ 長文16問 × 100% (16問)
= 26問 (合格基準 -2.7)
一方、語彙問題で20問取ったら、長文は半分の正答率でもギリギリ望みをつなぐ可能性がある。
語彙20問
+ 長文16問 × 50% (8問)
= 28問 (合格基準 -0.7)
つまり、英検1級のリーディングは長文よりも単語対策に時間を割く方が絶対に効率的なのだ。
戦術: 損切りの術
解答効率を最大化する方法として、時間配分を徹底します。
具体的な各パートの解答時間は、こちらです。
全体 (41問): 60~65分
- Part1 (25問): 10分
- Part2 (6問): 15分
- Part3 (10問): 35~40分
特に注意して欲しいのは、Part1 と Part3のラスボス(最後の長文)で、時には分からない問題を捨てる決断(損切り)も必要です。
まずPart1の解答には、無駄な時間をかけないでください。
このPart1を解けるかどうかは、単純にその単語を知っているかどうかなので、掛けた時間と正解率は比例しません。
そしてPart3の最後の長文は読む分量に対しての問題数が少なく、時間対効果が低いです。
よって時間が不足したのであれば、最後の長文は2問ぐらい捨てましょう。
※実際に僕も、本番では最後の2問を捨てています。
勉強方法などについては第3話に書いておりますので、興味がありましたらご覧ください。
ライティングの戦略
- フォーマットを決める & ネタ帳を作る
- 「25分以内」に書き切る
- 本番では真っ先に、ライティングトピックのチラ見をする
戦略: ネタ仕込み
ライティングは、ビジネスメールレベルの英作文能力で突破できます。
以下の2つを行い、しっかり準備をしましょう。
- どんなトピックにも対応できる、汎用型英作文フォーマットを作る。
- 30個程度のトピックを収録した、ネタ帳を作る。
僕が実際に使用したフォーマットと、ネタ帳はコチラです。
<フォーマット>
<序論>
As we know, (トピック) is a controversial topic and it has been argued (利益と不利益、もしくはそれを得る人).
But I believe (トピック) is (賛成/反対), especially when we think about (1つ目の理由) and (2つ目の理由).
<本論>
First, the most important thing to be considered is (1つ目の理由).
(1つ目の理由を補足する意見).
Another reason is (2つ目の理由).
(2つ目の理由を補足する意見).
<結論>
For the reasons above, it is (必要/不要).
Thus, I think (トピックに対して賛成/反対).
<ネタ帳>
トピック | |||
---|---|---|---|
カテゴリ | Y/N | 理由1 | 理由2 |
※エクセル形式でのダウンロードは、コチラ。
これらができたら、過去問で6回くらい実際に書いてみればOKです。
※25分以内、厳守で!!
戦術: 即チラ見の術
筆記試験が始まったら、まず最初にライティングトピックを確認します!
そして、頭の片隅に置いておきましょう。
これにより、もしリーディング(長文)の中にライティングでも使用できそうな単語が出てきた場合、その単語に印を付けておけば英作文でも使えます^^
第4話には、僕が上のフォーマット&ネタ帳を用いて書いた例文も載ってますので、参考にしてみてください。
また僕は使用していませんが、こんな本もあるようです。
(2024/09/14 19:54:45時点 楽天市場調べ-詳細)
(2024/09/14 19:54:45時点 楽天市場調べ-詳細)
英検1級対策の参考書類は「全体の戦略」で書いた通り3つで十分です。
しかし、英作文対策のネタ帳を作るにはかなりの時間(丸2~3日)が掛かります。
そのため、これらを購入してトピック集めをする方が早いかもしれない・・・
と、今更ながら思いました(´・ω・`)
(英検1級の対策本は少ないので、これらの本を知りませんでした。。。)
リスニングの戦略
- 筆記試験で時間を余らせる
- 余った時間で、リスニング問題全体を先読みする
戦略: 神の時間配分
英検1級のリスニングにはTOEIC式の先読みはまったく通用しませんし、リスニング中のメモも無意味です。
スクリプトの内容も難しいため、聞くことだけに集中すべきです。
・・・とはいえ、まったくの前情報なしで臨むのはしんどい。。
そこで筆記試験を10分以上早く終わらせ、リスニング試験にこの時間を付与する戦略を使用します。
- リーディング: 65分
- ライティング: 25分
- リスニング: 45分
筆記試験: 100分 → 90分
リスニング試験: 35分 → 45分
※筆記試験がより早く終わるのは、もちろんGoodです。
戦術: 先読みの術 (英検1級 ver.)
「神の時間配分」で余らせた時間を使い、リスニングの情報収集を行います。
具体的にやることは2つだけです。
- すべて読む
- 必要な情報を書き込む
まずは、リスニング試験の問題すべてを読んでください。
Part1 から Part4 まで、すべてを合わせても「1,300 words」程度。
TOEICリーディングを読み切るスピードが「150wpm(※)」程度と言われていますので、このレベルの方であれば8~9分で読み切ることができるはずです。
※wpm (=word per minute): 1分間で処理できる単語数
そして、読みながらイメージ出来た情報を問題用紙に書き込んでください。
実際に僕が試験の時に書いたメモは第5話に画像付きで載せておりますので、ご覧になってみてください。
またリスニングの地力を上げる方法についても、書いております。
スピーキングの戦略
- フォーマットを決める & ネタ帳を作る
戦略: 仕込み
スピーキングの対策は、ライティング対策と似ています。
こらちも、最初にやることは同じです。
- どんなトピックにも対応できる、汎用型スピーチフォーマットを作る。
- 30個程度のトピックを収録した、ネタ帳を作る。
僕が実際に使用したフォーマットと、ネタ帳はコチラです。
<フォーマット>
<序論>
I believe (トピック) is (賛成/反対).
I have two reasons.
<本論>
The first reason is that (1つ目の理由).
The second reason is that (2つ目の理由).
そのまま→<結論>
<ネタ帳>
スピーキングの用のネタ帳は複雑なので、コチラから元のエクセルファイルをダウンロードしてご覧になってください。
ライティングとは異なる点が、2つあります。
- 理由まで英訳する
- 自分なりの解決案も考えておく
ショートスピーチをスムーズに行うためには、理由も英語で覚えておくとよいです。
そうすることで無駄な思考時間がなくなり、Brain Fart(※)が減ってスピーチが締まり、同時に制限時間をオーバーするリスクも減少します。
※brain fart: 会話中に「えーと」とか「うーんと」とかいうこと。
また、スピーキングでは質疑応答があります。
聞かれた内容に対して、ひるまず自分の意見を言えるようにするために、トピックに対しての「賛成/反対 & 理由」に加えて「解決案」も考えておくとよいです。
入室・退室も含めた一連の流れについては、第8話に詳しく書いております。
お時間がありましたら、一度目を通してみてください。
あとがき
英検4級だった僕が、英検1級に1発合格するために使った戦略・戦術についてまとめました。
ポイントだけに絞って書いたため、より詳細を知りたい方は「あわせて読みたい」と表示されている各記事をご覧ください。
本番の様子や、失敗したことについても書いておりますので、興味があればこちらの記事もどうぞ。
今回の受験に当たり、僕は自分の地力では勝てないかもしれないと判断し、戦略・戦術を駆使して闘いました。
とにかく「絶対に合格すること」にこだわって対策をしました。
そのため、英語力自体は上がってないかもしれません。
それでも元々の受験のきっかけとなった、英語を教える一人としての想い。
「自分の教えていることが正しいと、客観的に判断できる確証を得る。」
「誰かに『コレやれ、アレやれ!TOEIC受けてこい!』というだけでなく、まず僕自身が困難に挑み、乗り越える姿を示すべきだ。」
この部分については、生徒さんに示すことができたと思っております。
英語を習得すること。
そして、英検1級に合格することは簡単ではありません。
思うようにいかず落ち込み、投げ出したくなる時もあると思います。
でも「絶対にできる。」と、自分を信じ続けてください。
センスは必要ありません。
本番・土壇場で自分を助けてくれるのはセンスではなく、これまで覚えて来た1つ1つの単語です。
毎日毎日、愚直に1つずつ単語を覚えていく。
その強靭な意思と地道な努力が、あなたを合格へ導いてくれます。
諦めないでください。
- 第1話: 勉強時間と期間
- 第2話: 単語 (語彙) 対策
- 第3話: リーディング (長文) 対策
- 第4話: ライティング対策
- 第5話: リスニング対策
- 第6話: 1次試験
- 第7話: 1次試験結果
- 第8話: スピーキング対策
- 第9話: 2次試験
- 第10話: 2次試験結果
- 最終: 僕が使った全戦術(戦略)を公開 ←イマココ