ITエンジニアの僕(英検4級)が、英検1級を受けてみました。
真っ向勝負ではとても敵わないので、勉強効率や時間配分を工夫し、戦略的に合格を目指した時の記録です。
- 「ライティングはまぁ、何とかなるでしょ。」
- 「対策をするにしても、何をやればいいのか分からない。。」
- 「試験本番では何を気を付ければいい?」
結局何から手を付けていいか分からないため、対策が後手になりがちな英検1級ライティング。
この記事ではやるべきことをかなり具体的に書きましたので、冒頭のような疑問もすべて解決することができます。
※長い記事ですが、具体例もふんだんに盛り込みました。
Contents
ライティング対策にも時間を割くべきか?
- 出題されるトピックがかなり厄介
- 作文力を上げなくても、突破できる方法はある
- 目安は仕事で使うメールのレベル
ノー勉強はダメですよ
1次試験突破に向けて毎日たくさん単語を覚えて、長文も読んでリスニングもやって・・・
なんとなく後回しになりがちな、ライティング。
「仕事のメール・チャットでたまに英語使うし、ライティングは何とかそれっぽくなるんじゃないかな。」
僕も勉強を始める前、そう思っていました。
結論からいうと、この考えは完全に間違っています。
英検1級のライティングで出題されるトピックは、普段は深く考えたりしないような内容なんです。
Should developed nations encourage immigration from other countries?
「では、先進国の移民受け入れ問題について、キミの意見を伺おうか。」
Can restrictions on freedom of speech ever be justified?
「『言論の自由』を抑制するだなんて、絶対反対だ!なぁ、キミもそう思うだろ?」
Agree or disagree: World peace is an achievable goal
「ねぇ、教えてよ。どうすれば、世界が平和になるかを・・・」
こんな鋭いトピックについて意見を求められたら、日本語でも主張をすることは難しいですよね(._.)?
英作文能力はどの程度必要か?
英検1級のライティング対策、僕は絶対に必要だと思います。
でも、ライティング力を根本的に上げるって・・・膨大な時間が掛かりそうですよね。
特に英検ではアカデミックな英作文(エッセイ)が求められるので、何からはじめればいいのか曖昧です。
そして書いたものをチェックしてくれる人がいない場合も、多いのではないでしょうか?
(僕はそうでした。)
ただし、心配しないでください。
英検1級、あくまでも難しいのはトピックであり、作文能力(地力)は仕事で書く英文メール程度で乗り切れます。
※次節で「アカデミックっぽく」なる方法も、順序だててお伝えします。
英文をほとんど書いたことがない場合は、2~3倍くらいの時間が必要になるかと思いますが、それでも対策をすれば合格基準(70%)は取れる可能性が高いです。
また英検1級の1次試験は、総合点で合否が決まります。
ライティング50%とかだと、以下のような悲しい結果になってしまいますので対策抜かりなく。
<悲しい不合格パターン>
- リーディング: 75%
- リスニング: 75%
- ライティング: 50%
(75 + 75 + 50) / 3 = 66.7% ( ;∀;)
ライティングの対策方針
- 自分なりの書き方 (テンプレート) を決める
- ネタを30個位集め、理由を調べる
- 過去問6回分、実際に書いてみる
① 自分なりの書き方を決める
まず第一のステップとして、自分なりの型(テンプレート)を決めます。
なるべく、色々なパターンに応用できるものがいいです。
説明をするよりも、見てもらった方が早いかと思いますので、早速やってみます!
僕の型(テンプレート)
<序論>
As we know, (トピック) is a controversial topic and it has been argued (利益と不利益、もしくはそれを得る人).
But I believe (トピック) is (賛成/反対), especially when we think about (1つ目の理由) and (2つ目の理由).
<本論>
First, the most important thing to be considered is (1つ目の理由).
(1つ目の理由を補足する意見).
Another reason is (2つ目の理由).
(2つ目の理由を補足する意見).
<結論>
For the reasons above, it is (必要/不要).
Thus, I think (トピックに対して賛成/反対).
例1
Should developed nations encourage immigration from other countries?
As we know, immigration is always a controversial topic and it has long been argued about its advantages and disadvantages.
But I strongly believe developed countries, including Japan, should encourage immigration more, especially when we think about A and B.
First, the most important thing to be considered is A …
Another reason is B …
For the reasons above, immigration is necessary both for developed and developing countries.
Thus, I think developed nations positively encourage immigration from other countries.
例2
Can restrictions on freedom of speech ever be justified?
As we know, restrictions on freedom of speech is lately getting to be a controversial topic and it has been argued about its advantages and disadvantages.
But I strongly believe freedom of speech have to be protected, especially when we think about A and B.
First, the most important thing to be considered is A …
Another reason is B …
For the reasons above, protecting freedom of speech is necessary both for watching government’s activities and creating brilliant arts.
Thus, I think restrictions on freedom of speech should not be justified with any reasons.
例3
Agree or disagree: World peace is an achievable goal
As we know, world peace is always a controversial topic and it has long been argued by those who hope it and those who may not.
But I sadly believe world peace is difficult or impossible to achieve, especially when we think about A and B.
First, the most important thing to be considered is A …
Another reason is B …
For the reasons above, it seems quite difficult to solve those problems completely.
Thus, I think world peace is not an achievable goal for human.
この型については、本当になんでもいいです。
「Do you know … ?」とはじめてもいいですし、お気に入りのフレーズがあればそれを使ってください(‘ω’)ノ
また、理由を3つ述べる方がベターとされていますが、僕はオススメはしません。
なぜなら、試験の時間&制限文字数的にかなり難しいからです。
またこのあと紹介する“トピックとその理由を集める作業”においても、理由を3つとした場合は1.5倍の調査時間が掛かることになります。
② ネタをかき集める【僕のネタ帳】
テンプレートが決まったら、次にやることは空いている穴を埋める作業になります。
つまり、トピックとそれに賛成/反対する理由を2つずつかき集めます【仕込み】。
ここが一番時間が掛かる作業となりますが、ビジネスメールレベルで英検1級ライティングを突破する肝。しんどいけど、頑張りましょう!
- トピックをかき集める
- それに賛成 / 反対の立場を示す
- 賛成 / 反対する理由を2つずつ調べる
まず、ネタ探しです。
英検1級が特に好むトピックを大雑把に分類すると、以下になります。
- 環境
- 教育
- 経済
- 科学
- 社会問題
- 国際情勢
これに関連するトピックを、集めてください。目標は30個です!
過去問や他のサイト、またニュースを見たりして集めてみましょう。
※僕自身が受験する際も参照させていただいたサイトがいくつかあり、とても助かりました。
サイト管理者の方々には、大変感謝しております。ありがとうございました。
次に、集めたトピックに対して、自分が賛成か反対(Y/N)を示します。
そして、そう考える理由を2つ調べて(ググって)ください!
以下、僕が英検1級ライティング対策で実際に使った表です。
※元のエクセルファイルは、コチラ。
僕は、科学やITの話なら対応できると思っていたので、そのトピックは除外しました。
トピック | |||
---|---|---|---|
カテゴリ | Y/N | 理由1 | 理由2 |
③ 実際に書いてみる【僕の例文】
ここまで来たら、最後は実際に時間を計って過去問(6回分)を書いてみましょう。
時間は25分以内、厳守です!
※理由は次節で説明します。
自分が準備していたトピックが確実にヒットするとは限りませんが、”かする” 確率は高いです。
※思いっ切り外れる可能性も0ではありません。その時はごめんなさい、もはや運です。
では、今回は以下のトピックについて、先の表「No.9」を参考にして書いてみます。
Should developed nations encourage immigration from other countries?
<僕の解答>
As we know, immigration is always a controversial topic and it has long been argued about its advantages and disadvantages.
But I strongly believe developed countries, including Japan, should encourage immigration more, especially when we think about the human rights of people who are suffered from persecution and the problem of aging society.
First, the most important thing to be considered is “life”. There are still many people who are victims of wars and at risk of persecution, or even death. Most of these cases are seen in developing countries.
So, accepting immigrants from non-developed nations is an effective way to save their human rights as well as lives.
Another reason is the problem of aging society which all developed nations, including Japan, are facing.
In Japan, aging society is caused by low birthrate, and makes less younger people and population decrease. This means there are fewer workers and less tax paid by them, then the entire economy would be shrinking. Obviously, this is a critical matter for every developed country.
If those countries accept immigrants and obtain more workers, it can be one solution to improve the situation.
For the reasons above, immigration is necessary both for developed and developing countries.
Thus, I think developed nations positively encourage immigration from other countries.
つたない表現ですが・・・これで214 wordsです。
得点率80%、90%は難しいかもしれませんが、70%は間違いなく取れるでしょう。
英文をある程度書き慣れている方は、過去問6回分を実際に書いてみれば準備万全です。
英文を書き慣れてない方は、トピックと理由を書き出す時に、理由を英文で書いてみましょう。
そうすれば、準備した表現を本番で使い回すことができます。
※使用した過去問はコチラ↓
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試験本番の動き
- 英作文は25分以内、時間厳守!!
- 一番最初にライティングトピックをチラ見する
- リーディングを解く時、英作文に使えそうな単語があったら印をつける
絶対に25分以内で書き切る!
英作文は絶対に25分以内に終わらせてください!
文字数が少なくなってしまっても、かまいませんので。
以下のペース配分を守ることが、戦略で英検1級に合格する最重要ポイントです。
※リーディング対策については、コチラに詳しく書いてあります。
筆記試験全体: 100分
- リーディング: 60~65分
- ライティング: 25分以内
- リスニングの先読み: 10~15分
一番最初にトピックを見る
試験が始まったら、まず一番最初にライティングトピックを見ましょう。
そして、その瞬間にどんなことを書くか、頭の片隅に入れておいてください。
なぜそうするのか?
試験中、いざ英作文をやろうと思った時、こんなことがあります。
「あれ?あの単語・・・なんだっけ?
別にその単語じゃなくてもいいけど・・・同じ意味の単語も思い浮かばない( ゚Д゚)」
そして時間が過ぎていく・・・(´・ω・`)
でも実はそれ、既に出ている可能性があります。
・・・どこに?
リーディング問題の中に、使えそうな単語出てきてる可能性ありますよね!?
そうなんです。あるんです、本当に。
だから絶対に、ライティングトピックは先に一目見ておいた方がいい。
長文を読んでいる時、使えそうな単語が出てきたら「◯印」をつけておくようにしましょう。
あとがき (物語調)
な・・・なにも書けない。。
「仕事で英語は書いてきた。英文を順序立てて書く方法(序論・本論・結論)も知っている。
ライティングは、すぐにそれっぽく書けるようになるだろう。」
過去問に手を付けはじめた、2018年10月初旬。
僕の考えは一転、絶望に変わった。
Should developed nations encourage immigration from other countries?
「よーし、書くぞ。残り30分だな。」
20分
・
・
・
10分
・
・
・
5分
・
・
・
「待て待て待て、まったく書けてないから!!」
結局、30分間かけて僕が書けたのはこれだけ。
- (フワッとした)序論
- 「人の命は大切だから。。」という、理由1の書き出し
正直、自分がこんなに書けないとは思ってなかった。
一番安全だと思っていたライティングに対し、ショックと大きな焦りが湧いてきた。
ライティングは仕込みで乗り切る!
それからも過去問を何回か解いてみたが、結論まで書き切れたことは一度もなかった。
なんで自分がこんなに書けないのかと考えた時、言い訳はたくさん見つかった。
- 日常生活からすると、まったく馴染みのない話題
- 普段から、そんなにニュースを見ない
- 専門外の分野については、意見できるほど知識もない
とはいえ、実際にこのトピックが出てしまったら・・・もう僕に、選択の余地はない。
「普段からもっと、日本・世界の情勢に興味を持っておくんだった。」とは思ったが・・・
環境、経済、教育、政治、戦争、科学、芸術
これだけ広い範囲に対して、今から新聞やニュースを読み漁り、自分の中で確固とした価値観を醸成するのは厳しいだろう。
そこで僕は思った。
「そしたらもう、知ったかぶりするしかないんじゃない?」
よくいる僕があまり好きじゃないタイプの人。
新聞・本・ネット・テレビなどで誰かが使った言葉を、さも自分の意見のように述べる人。
「・・・でも、何がなんでも受かるって決めたじゃないか。
背に腹は代えられない。
ライティングは、仕込みで乗り切る!!」
僕が決意し、実際に手を動かし始めた時。
既に年は明けて2019年の1月になり、しばらく経っていた。
本番試験は2019年1月27日(日)だ。
ネット上でトピックになりそうな話題をかき集め、
それについてのネット上で誰かの意見を探し、
自分の中で消化して、なんとかそれっぽいリストを作り上げた。
「あとはこれを覚えるだけだ。でも、もう1週間しかない・・・」
1次試験直前の1週間、僕は必死に「仕込み知識リスト」を暗記し、何回か過去問を解く練習をしてみた。
するとやはり、覚えたトピックについては結論まで書けるようになった。
試験当日・・・
開始直前で僕が行っていたことは、「仕込み知識リスト暗記作業」だった。