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戦略で英検1級に合格するまで|第2話: 単語 (語彙) 対策

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ITエンジニアの僕(英検4級)が、英検1級を受けてみました。
真っ向勝負ではとても敵わないので、勉強効率や時間配分を工夫し、戦略的に合格を目指した時の記録です。

  • 「どうやって単語を暗記するの?」
  • 「一日にどれくらい覚えるの?」
  • 「そもそも、どれくらいの単語力が必要なの?」

この記事を読めば、英検1級を受験するにあたって、どれくらいの単語力が必要か?
また、どうやって単語を覚えれば良いのかが分かります。

 

僕の単語暗記方法

  • 基本は単純暗記と音読
  • 覚えにくい単語は語源を調べる&反復する
  • どうしても覚えられない単語は捨てる
  • 熟語パートはスキップ可

基本の流れ

    英検1級の単語非常に難しいのですが、覚える方法はその他の試験のものと変わりません。

    以下、僕なりの暗記方法です。
    ※単語帳「英検1級でる順パス単」の使用を前提としています。

     

    1. 音声データを1ページ分流す。
    2. 音声データと同じ流れ(単語→日本語→例文)で、音読する。
      音声データと同じくらい流暢に読めるようになるまで、数回繰り返す。
    3. 1ページ分読み終わったら、赤シートで隠して覚えたかどうかチェック。
    4. 覚えられない単語を調べる。
      ※「相性の悪い単語への対応」に詳細を記載。
    5. 再度、赤シートでチェックする。

     

    「例文までやる必要ない」という意見もありますが、僕は特にこの英検1級では例文まで読むことを勧めます。

    理由は3つ。

    1. 本番の問題に例文と似た内容が出題されることがある
    2. 例文の音読自体が、スピーキング力&リスニング力の強化に役立つ
    3. 使用されるシチュエーションが分かるため、単語のニュアンスが掴める

     

    1つ目のポイントだけでもやる価値は大いにあります。
    実際、僕が受験した時も、非常に似た問題が出題されました。

     

    「英検1級でる順パス単」の例文

    Very few climbers have managed the feat of climbing Everest.

    ◆本番試験 (2018年第3回の1問目)

    The book describes some of the ( ) performed by famous mountain climbers, beginning with Sir Edmund Hillary and Tenzing Norgay’s climb to the summit of Mount Everest.

    1, embargoes
    2, spurts
    3, wrenches
    4, feats

     

    相性の悪い単語への対応

    英検1級の単語には、初見で覚えられない・・・パッと見でイメージしずらい単語が多いです。

    例えば、以下のような単語は一度で覚えられる気がします。

    exemplify: 例示する
    →何となく「example」っぽいため、連想できる^^

    ubiquitous: 偏在する
    →「ユビキタス」っていうカタカナ語を聞いたことがあるから、覚えられる^^

    infiltrate: しみ込む、潜入する
    →「filter」に「in」しているような状態をイメージできる^^

     

    一方で、以下のような単語を一発で覚えるのは難しいのではないでしょうか?

    aberration: 常軌逸脱
    extricate: 救出する
    resonant: 反響する


    覚えにくい単語が出てきた時は「語源」を調べると解決することがあります。

    中でも、僕がよく使ったのは「英・語・源」というサイトです。
    語源(正確には、接頭語&接尾語)を知っていれば、上記の単語も一発で覚えることができます。

    aberration: 常軌逸脱
    ab (離れた) + err (エラー、誤り)

    extricate: 救出する
    ex (外へ) + tric (トリック、やっかい事)

    resonant: 反響する
    re (再び) + son (音)

    接頭語&接尾語は他の単語にも応用できるため、いくつか覚えると単語暗記の効率がどんどんよくなっていきます。

    ただし全単語を調べる必要はありません。
    膨大に時間が掛かってしまい、逆に時間対効果が下がってしまうからです。

    あくまでも、覚えられない単語だけにしましょう。

     

    単語帳は常に携帯する

    覚えにくい単語はイメージしずらいだけでなく、出現頻度が少ないという性質もあります。

    レア単語たちの出現頻度を能動的に上げるために、単語帳は常に持ち歩き、電車・バスに乗っている時に覚えにくかった単語を中心に復習しましょう。

    eiken-vocabulary-book(散々連れ回された僕の単語帳・・・)

     

    どうしても無理なら・・・諦める!

    英検1級の単語・・・

    語源を調べてもイメージできない。
    もしくは、接頭語も接尾語もない。
    そしていくら復習しても忘れてしまう。

    どう工夫しても覚えられない単語、あると思います。
    (僕もありました・・・けっこう大量に!!)

    さて、こんな時はどうするか?

    諦めましょう!!

    その単語に時間を費やすよりも、他の単語を5個覚えるべきです。

    加えて単語問題は4択なので、他の単語を知っていれば2択くらいまで絞ることができ、結果的に正解できるケースも多いです^^

     

    熟語はやらなくてもいい

    熟語対策については、無理にやる必要はありません。

    単純な理由ですが熟語はパターンが多過ぎます。いくらやってもキリがありません。
    さらに本番で出題されるのは5問だけなので、ヒットする(覚えたものが出題される)可能性も非常に低いといえます。

    熟語対策は時間対効果が低過ぎるので「余裕があったら・・・やる?」程度でよいと思います。

    “敢えて熟語を切る”ことも、能動的な戦略の1つです。
    実際僕も、熟語対策は一切しませんでした。

     

    一日に覚える単語数

    • 毎日20~30個程度
    • 「継続できること」が何よりも大切

    嫌にならないペースでよい

    暗記が得意な人は、1日に100単語くらい覚えることができそうですが・・・
    僕は単純暗記嫌いだったので、毎日覚える数を「20個」としていました。

    「英検1級でる順パス単」で2ページ分が日々のノルマ。机に向かう時間は1~1.5時間程度です。

    1日に覚える単語数はその人の能力にもよるかと思いますが、ポイントとしては毎日やることなので負担になり過ぎる量は避けることです。
    日によっては「お、これはほとんど知ってる!」という時もあり、3ページ・4ページと進むこともあると思います。

    ただ一方で「このページの単語、全部無理なんですけど(´・ω・`)」という時もあります。

    また第1話の方にも書きましたが、「単語を覚える時間 ≒ 日々の最低勉強時間」です。
    精神的苦痛にならず、継続学習ができるペースで覚えていくとよいでしょう。

     

    英検1級に挑める単語力とは

    • 合格力:
      10,000語 (TOEICはスラスラ)
    • 合格力: 中~高
      10,000語 + 「英検1級でる順パス単」1周
    • 合格力: 最高
      10,000語 + 「英検1級でる順パス単」バッチリ

    最低でも10,000語

    英検1級に挑むには、最低でも10,000語の語彙力が必要です。
    語彙力10,000語レベルとは、TOEICなら知らない単語がほとんどない状態です。
    ※僕もまだTOEICで知らない単語に出会いますが、毎回5個程度です。

    以下、僕が2つのサイトで語彙力を測定してみた結果です。

     

    Test your vocab

    test-your-vocab

     

    VocabularySize.com

    vocabularysize-com

     

    ベースとなる語彙力が10,000語程度あると、英検1級の長文問題(Part2, 3)もなんとか読むことができます。

    ただしそれだけだと、まだ不安で・・・
    文章のキー単語が分からず、内容がぼやける」ことがあります。

    また語彙問題(Part1)で7割以上の正答率を出すには、圧倒的な神頼みが必要となることでしょう^^;

     

    つまり・・・

    語彙力: 10,000語 + かなりの運 → 合格(?)

     

    これが「英検1級でる順パス単」を1周し終えると、こうなります。

    語彙力: 11,000~12,000語 + ある程度の運 → 合格

     

    もし「英検1級でる順パス単」を徹底的にやった場合、こうなります。

    語彙力:12,000~13,000語 (+ 無条件) → 合格(余裕!!)

     

    ベースとなる単語力が10,000語に満たない場合、長文読解が厳しいです。
    もしかすると、単語帳の例文すら読めない可能性もあります。

    状況を改善するために、少しでも日常的に英語に触れる機会を増やしましょう。

    例えば、いつもスマホで見ている「ライブドアニュース」を「The Japan News」に変えるだけでも効果があります。

     

    ベースとなる単語力が10,000語以上ある方は、「英検1級でる順パス単」を最低1周してください。

    先述した通り・・・覚えられない単語は諦めつつ、熟語はスキップ。

    こんな風に適当にやっても、1,000語くらいは残ると思います。
    そしてこの1,000語があるかないかで、合格の可能性はまるで変わってきます。

     

    あとがき (物語調)

    即席でなんとかなる試験じゃない

    2018年9月初旬、英検1級を受験することを決めた僕は
    「9月14日まで申し込めば、1ヵ月後の10月7日の試験に間に合う!」

    そんなことを考えていた。

     

    「とりあえず単語だけ少し対策をしておけば、何とかなるだろう。
    準備期間1ヵ月で受かったら、しこたま自慢してやろう。」

    そんな風に思った僕は、早速本屋に行って「英検1級でる順パス単」を購入し勉強を開始した。

     

    単語暗記を始めて2~3日経った頃、僕は単語帳に対して疑念を抱いていた。

    「いや、こんな見たこともない単語・・・そもそも出題されてるのかよ?」

     

    そこで英検のHPページに行き、筆記試験Part1の過去問をいくつか眺め・・・理解した。

    「むしろ、そういうの “だけ” 出しているんだ。。
    これ、無理だ。」

     

    2018年10月7日の受験は見送ることを決めた。

    ターゲットは2019年1月27日の【2018年・第3回検定】だ。

     

    「単語を制す者が、リーディングを制す!!」

    単語を覚える作業は退屈だったが、そこに音読を混ぜることで自分なりに楽しさを見出していた。

    「うん、今ネイティブっぽく読めた。満足満足。」

     

    そして単語帳で覚えたものが、スマホで読んでるニュースや普段見ている海外ドラマで出てきたりすると嬉しかった。

    circumvent: 抜け道を見つける、出し抜く

    How could you circumvent the guards?←確かこんな感じ
    (お前、どうやって警備を出し抜いてここに来たんだ。)

     

    過去問も購入し、リーディングも解いてみるようになった。

    しかし、語彙問題(Part1)についてはまったく安定しない。
    たくさん当たって7割を超える時もあれば、4割に満たない時もあった。

     

    英検のリーディングパートは、全体で41問。

    語彙問題(Part1): 25問
    長文問題(Part2, 3, 4): 16問
    ==============
    合格ライン7割: 28.7問

     

    もし当日、運悪く語彙問題で4割の正答率となってしまったら、長文問題で全問正解しても確実に落ちる。

    語彙25問 × 40% (10問)
    + 長文16問 × 100% (16問)
    = 26問 (合格基準 -2.7)

     

    一方、語彙問題で20問取ったら、長文は半分の正答率でもギリギリ望みをつなぐ可能性がある。

    語彙20問
    + 長文16問 × 50% (8問)
    = 28問 (合格基準 -0.7)

     

    つまり、英検1級のリーディングは長文よりも単語対策に時間を割く方が絶対に効率的なのだ。

     

    戦略でも、テクニックでも、運でもなんでもいい。
    英語の地力が伸びなくてもいい。

     

    僕はとにかく合格する方法を考える。

     

    語彙問題においても、正解の単語は分からなくてもいい。
    4択問題で2つ知っているものがあれば、正解を選ぶ確率が25%(1/4) → 50%(1/2)になる。

    それでいいんだ。

     

    語彙問題で知っている単語の遭遇率が上がる

    語彙問題の4択で正答率が上がる

    リーディングの合格率が効率的に上がる

     

    結局すべてが、どれだけ単語を覚えたかに掛かっている。

     

    「単語を制す者が、リーディングを制す!!」

     

    そして単語の暗記作業に、英語のセンスは関係ない。

    純粋にどれだけ時間を掛けたかと、どれだけ本気で取り組んだか・・・

    それこそが、英検1級合格の鍵なんだと思った。

     

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    英語好きのプログラマーです('ω')ノ (英検1級, TOEIC 955, TOEFL 104)