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戦略で英検1級に合格するまで|第5話: リスニング対策<メモ&先読みの術>

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ITエンジニアの僕(英検4級)が、英検1級を受けてみました。
真っ向勝負ではとても敵わないので、勉強効率や時間配分を工夫し、戦略的に合格を目指した時の記録です。

  • 「英検1級リスニングの難易度は?」
  • 「先読みしたいけど、問題のペースが早過ぎてできない!
    どうすればいいの?」
  • 「メモは取るべき?」

今回は英検1級リスニング対策について書きました。
特にリスニング試験中の行動は、是非参考にしてみて欲しいと思います。

 

TOEICリスニングとの比較

  • スクリプトがすごく長い
  • TOEIC式の先読みテクニックは通用しない
  • 解答のコツはあるが、地力も必要

難易度

では早速、英検1級のリスニング問題を理解するために、TOEICのPart3, Part4と比較してみます。

TOEIC 英検1級
スクリプトの長さ 40秒 Part1: 50~100秒
Part2: 2分
Part3: 1分半
Part4: 4分
質問の記載 問題用紙に記載 問題用紙に記載なし
※Part3は、記載あり。
単語 日常 & ビジネス 左記 + 専門的な単語
速さ 普通 普通
発音 クリア・単調 クリア・単調
※Part4は、インタビュー形式。
問題の間隔
(解答時間)
40秒 10秒

※スクリプトの長さ、解答時間は目安です。

特徴 (なにが難しいか)

上記の表を踏まえた上で、英検1級の特徴を整理します。

  • TOEICに比べて読み上げられるスクリプトが、圧倒的に長い!
    *
    「ちょっ!え、コレまだ続くの!!?」って、感じです。。
    *
  • TOEIC仕込みの先読みはできない
    *
    質問が解答用紙に記載されてないため、TOEICリスニング必勝法「先に質問を把握し、聞きながら解く」はまったく通用しません。
    また解答時間も10秒しかないため、その間に解答&次の問題を先読みすることは無理です。すぐ追い抜かれます。
    *
  • スクリプトを読む速さ、スピーカーの発音は大差ない
    *
    思いの外、ゆっくり&ハッキリと喋ってくれます。
    ただし、単語は容赦なく難しいものが出てきます。
    特にPart2では、自分が知らない単語も必ず出てくると思っておくべきです。

 

特に2つ目。
先読みが通用しないところが、英検1級リスニングの厳しいところです。

では、地道に地力を上げて挑むしかないのでしょうか?

僕も最初は、そう思っていました(´・ω・`)

 

でも実は、英検1級でも通用するテクニックもあります。
次節で詳しく説明します。

 

とは言え、当然ガチンコのリスニング力も必要になります。
リスニング力を向上させる僕なりの方法についても、後半で説明します。

 

英検1級でも通用する先読みテクニック

  • 筆記試験を10~15分早く終わらせる
  • リスニング試験が始まる前に、ガッツリ準備をする
  • リスニング試験中は、聞くことだけに集中する

筆記試験の時間を10~15分削れ!

先の節で「TOEIC式の先読みはまったく通用しない」と書きました。

しかしそれでも、一切内容を知らない状態で1分以上・・・
長いものでは4分間近くも喋られるのは、やはり恐ろしいです。

なので、先に内容を把握しておく方がいいでしょう。

 

「でも、先読みできないって言ってたやん。。」

いえ、先読みは可能です。ただ、問題毎の先読みはできないのです。

 

つまり問題(リスニング)が始まる前に、すべて先に読んでしまえばいいのです!

 

第2話第3話からずっと言い続けていた「リスニングの先読みに10~15分使う」というのは、このことです。

これが戦略で英検1級リスニングを乗り切るポイントです!

 

始まる前にすべて読み、書き込め!

筆記試験を10~15分残して終わったら、速攻でリスニング問題を読み始めてください。

全部、読んでください!

 

Part1 から Part4 まで、すべてを合わせても「1,300 words」程度。

TOEICリーディングを読み切るスピードが「150wpm(※)」程度と言われていますので、このレベルの方であれば8~9分で読み切ることができるはずです。
※wpm (=word per minute): 1分間で処理できる単語数

 

さらに、ここでもう1つ技を使います。

TOEICでは禁止されているけど、英検では許可されているルール。

そう「問題用紙へのメモ」。ここが使いどころです!

スクリプトが読み上げられている最中のメモは取らないでください。
別の作業をしながら聞けるほど、簡単な内容ではないです。

 

リスニング問題を読みながら・・・

  • どんな状況なのか?
  • 何について喋っているのか?
  • 何がキーワードか?

 

これを想像し、イメージができたら問題用紙へどんどんメモしてください!

 

以下、僕が本番で実際に書き込んだ各パート毎のメモです。

eiken-listening-memo1 eiken-listening-memo2 eiken-listening-memo3 eiken-listening-memo4
  • Part1, 2では、話されるであろうトピックを記載。
  • Part3では、日時や数字などが目立つよう下線付き。
  • Part4では、スピーカーが触れそうなキーワードに下線。

※Part3は先読みの時間が与えられるので、内容よりもキーワードに印を付けましょう。
そこを目立たせておくことで、聞き逃しが減ります。

 

リスニングが始まる前の時点で、僕の問題用紙(だけ)は、他の受験者に比べてこれだけ多くの情報が載っていたのです。チートですね♪

 

あとは、聞くことに全力を注げ!

ここまで、姑息と思われるほどの準備をしました。
自分だけ、他の受験者と比べて不公平なほど情報満載の問題用紙を持っています。

でも、いよいよここからは地力での勝負になります。

 

聞くことだけを意識しましょう!

TOEICのように、先読みのペースを意識する必要はありません。

また、聞きながらメモを取るなんて完全NGです!
書いてる間に置いていかれます。

全力で聞き、会話の情景を思い描いてください。

 

英検1級は、出鼻からいきなり答えを言うことがあります。
なので、最初から本当に集中して聞いてください。

情景がイメージ出来れば、おのずと答えは絞れてきます。
10秒の解答時間でも、十分にマークできます。

 

(余談) 自爆事故で見付けたテクニック

実はこのリスニングテクニック、事前に準備していたものではありません。

本番中、僕が思いっ切り時間配分をミスして、結果このやり方を見付けました。。。。

 

というのが・・・
緊張のあまり焦り過ぎ、筆記試験の時間を10分間短いと勘違いしてしまったのです。

【本来】
13:30 開始
15:10 筆記試験終了

【混乱していた僕の脳】
13:30 開始
15:00 筆記試験終了

 

筆記試験が終わって「よし、まだ5分ちょいあるからPart1だけでもリスニング見ておこうー!!」と思っていたら、なぜか全部読み切ってしまいました・・・(´・ω・`)

でもそのおかげで色々とメモができ、結果リスニングは9割近く取ることができました( ゚Д゚)!!

※詳細は第6話に書いてあります。

 

リスニングの地力を上げる

  • リスニングの練習は音ベースで行う
  • 毎日英語に触れる
  • 喋れれば聞けるので、喋れるまで読む

毎日の対策

僕は毎日、就寝前などに海外ドラマを見ています。
英語音声&英語字幕あり(無し)で、1~2話見るので30分~1時間程度です。

僕も最初はド定番のフレンズからハマり、計7周くらい見ました( ゚Д゚)
最近はビッグバンセオリーを見ています。

正直、自分が面白いと思うモノならなんでもいいです。
読書でも、音楽でも、映画でも・・・

ポイントは、毎日続けられるくらい楽しいものを選ぶこと。
そして、レクリエーションとして習慣化することです。
(僕は就寝前の海外ドラマ視聴が完全に習慣化していて、子守歌みたいになっています。
海外ドラマ見る→そのまま寝落ち・・・毎日です。)

 

いずれにしても、生の英語は英検1級のリスニングよりは速いので、耳を慣らすよい練習になります。

もし海外ドラマ・映画が好きなのであれば、NetflixHuluを検討してみてください。
この2つは英語字幕に対応しているため、英語学習には効果的です。

上記2つは、海外ドラマ・映画の作品数においてはほとんど大差ないです。
両方とも無料で一定期間使えるので、自分の好きな作品があるかどうか?使い勝手がどうか?を試してみるといいと思います。

 

本による対策

リスニング力を上げる方法がまとまっている本として、僕が生徒さんにもやってもらっているのは「鬼の変速リスニング」という本です。

 

僕も自分なりの方法でリスニングを教えていましたが、
ある時、この本には僕が教えたいことが上手にまとまっていることに気付き、以降はこの本をやってもらうようにしています。

僕より教え方も上手いですし、音声もしっかりと作り込まれていて、さらに笑いどころもまである。本当に良い本です^^

 

TOEICをターゲットにしていますが、練習方法は英検でも変わりません。

  1. 節に区切って理解しながら、音読ができるようになる
  2. アクセントなども含めて同じペースで、音読できるようになる
  3. シャドーイングができようになる

 

毎日やれば、たった1ヵ月でリスニング力の上達を実感できるようになりますよ^^
※僕の生徒さんも1ヵ月半くらいで終わらせて、TOEICリスニングが150点くらい上がりました。

 

過去問による対策

第1話の「Planning」でも書いておりますが、週に1回は過去問に挑戦してみてください。

過去問は以下の2冊のみで、十分です。

 

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そして復習は、先程紹介した本のやり方に沿って行いましょう。
つまり・・・

  1. 節に区切って理解しながら、音読ができるようになる
  2. アクセントなども含めて同じペースで、音読できるようになる
  3. シャドーイングができようになる

 

なお、最初はリスニング試験だけ別に行って構いません。
しかし、直前期になったら筆記試験&リスニング試験を通しでやってみましょう。

2~3回でもいいので、先の節で説明した「英検1級でも通用する先読み」を、何度か練習しておいてください。

 

僕はディクテーション、やりません

僕のリスニング練習方法は、先に示した通り「海外ドラマの視聴」と音読・シャドーイングをベースにした方法のみです。

ディクテーションは、まったくやりません。

なぜなら・・・

  • 非常に時間が掛かる
    *
    戻ったり、進めたり、書いたり・・・
    *
  • 書き取れない理由が「その単語を知らないだけ」という可能性がある
    *
    音から予想するだけなんて、時間の無駄。その単語を覚えてしまった方が早い。
    *
  • 節を意識した音読の方が効率がいい
    *
    頭から単語を1つずつ拾い、書き取るのは単語当てゲーム。
    それよりも英文のまとまりを意識し、理解しながら聞くことが大切。
    *
  • 音読はスピーキングの練習にもなる
    *
    しっかりと音読をすれば、英語らしいリズムも身に付く

 

そんなことを思っています。

 

あとがき (物語調)

【2019年1月中旬】受験票が届いた

「リスニングだけは、絶対にこのままで大丈夫。」

そう信じていた。

というのも、TOEICリスニングで満点を取ったこともあってか・・・

「どうせリスニング力なんて、直前で足掻いても上がるもんじゃない。
それに、TOEICで問題を先読みするリズムは身に付いている。

むしろ、僕が聞き取れないような内容なら、みんな落とすだろう?」と、謎の自信をみなぎらせていた。

 

リーディング対策がある程度落ち着き、ライティングについても方針が見えた頃。

「さて、じゃあリスニングがどんなもんか、解いてみるか。」と、ようやく手を付けはじめたのが、2019年1月中旬。

ちょうど僕の家にも、英検1級の受験票が届いた。

 

「いよいよか。あぁ、本当に受けるんだな。」

 

結局、一番の不安要素になったリスニング

リスニングの過去問を解いてみると、不思議なことに気付いた。

必殺「先読み(TOEIC式)」を使い、頑張って速く読んでも、Part1の4問目くらいで追い抜かれてしまうのだ。
その後は次の1問を捨て、もう一度先読みのリズムに戻ろうとするのだが、それでも追い抜かれてしまう。

まともに出来たのは、Part3だけだ。

 

3回過去問を解いてみたが、正答率は60~75%。

「微妙だな・・・やり方が違うのか?」

 

4回目は先読みをせず、聞くことに集中してみた。

すると、正答率は80%を超えた。

 

「これが正しいやり方だったのか!」と思い、5回目も先読みなしでやってみる。

正答率は約70%・・・安定しない。

 

6回目も先読みなし・・・約78%。

 

先読みしないスタイルに変えてから、一応すべて70%以上を取ったので、本番はこの方法で行くことを決めた。

 

  1. リーディングは、単語力で乗り切る
  2. ライティングは、仕込みで乗り切る
  3. リスニングは、地力だけ?・・・本当にいける?

 

結局リスニングだけは、効果的な戦略や対策方針も思いつかぬまま。
不安な気持ちで本番を迎えることになった。

 

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英語好きのプログラマーです('ω')ノ (英検1級, TOEIC 955, TOEFL 104)