- 幼少期にキレイな発音が身につきやすい理由
- 6歳までに、効率よく英語発音を学ぶ方法
- 6歳を過ぎてからもできる、発音改善方法
大人になってから英語の発音を身につけようとすると、かなりの労力と時間が必要になります。
これは、なぜでしょうか?
そして何歳までにはじめれば、キレイな発音は身につきやすいのでしょうか?
今回はこの疑問に対して掘り下げつつ、効率よく英語発音を学ぶコツも提案したいと思います!
Contents
発音対策は6歳までにやるべき3つの理由
①6歳までが、音をマネする能力の臨界期
言語学において、言葉の基礎が身に着くのは、2~3歳頃。
そして発音をマネする能力は、3~6歳頃が1つの臨界期と考えられているそうです。
わが家の長女は1歳半から英語学習をはじめましたが、聞いた音をそのまま再現する能力は3~5歳頃がピークだったと思います。
この頃は同じ絵本を何度も聞いてくれて、そのフレーズをそっくりそのまま独り言で繰り返すこともありました。
しかし6歳を過ぎた頃からはそういったことはなくなり、知っている単語を1つずつ読んでいくようになりました。
②カタカナ・ローマ字の影響がない
小学校がはじまるとカタカナを習い、更に3年生になるとローマ字を習います。
ご存知の通り、これらは英単語の読み仮名として使用されることがあります。
そのためカタカナやローマ字を習った後は、どうしてもその音が意識されてしまいます。
結果、英語の発音にも影響を与えてしまうのです。
小学校がはじまる前、具体的には6歳以前であれば、まだカタカナやローマ字を習ってないので、その弊害は少ないです。
これはキレイな発音を身につけるうえで、大きな利点の1つといえます。
③好奇心旺盛で積極的
私はアメリカ人講師とペアで、3~6歳くらいの子供とその母親対象に英会話レッスンをしていたことがあります。
6歳くらいまでの子供たちは何に対しても積極的で、アメリカ人講師の発音練習にも大きな声を出して一生懸命参加してくれました。
しかし私が小学校で教えていた経験からいうと、高学年くらいからは「英語で発音をすることを『恥ずかしい』『面倒くさい』」と感じる子も増えてきます。
こうした心の壁が一度できてしまうと、指導してもあまり改善されないことが多かったです。
以上の理由から、やはり6歳以前に発音練習を開始することが理想的であるといえます。
幼少期に効率よく英語発音を学ぶ4つの方法
①フォニックスを習得する
フォニックスは英語の文字と音の間にあるルールのことで、知っていると発音を身につける際にとても有利になります。
またフォニックスを習得すれば、初見の単語でも発音が予測できるため、英単語暗記も圧倒的に早くなります。
英語圏の子供たちも幼児期にはフォニックスを学習することで、6~7歳頃には約1,200~3,000語の英単語を正確に発音できるようになるそうです。
私自身はフォニックスを学ぶことなく、中学時代にアルファベットからいきなり単語暗記に入ったのでかなり苦労した記憶があります。。
フォニックス学習は、以下3ステップで進めます。
<フォニックス学習の進め方>
- アルファベットのフォニックス読み(アブクド読み)を覚える
- 3音単語(cat, dog, fan etc…)を練習する
- フォニックス学習用の英文を読む
※例えば母音「a」の短音「ア」を練習するなら、”The ants ran to the jam.“など、ターゲットとなる単語をちりばめた英文を読む。
フォニックスの教え方や教材は、以下の記事に詳しく書いています。
無料のものも多く紹介しているので、ぜひご活用ください^^
②音源付き英語絵本で音読練習
フォニックスを習得した後は、ある程度長い英文を読む練習をします。
英語は文になると、単語同士が影響し合いその音が変わること(音声変化)が多くあるためです。
そこまでマスターし、流暢な英語に近づけることを目指していきます。
<音声変化の例>
- 単語と単語がくっつく
“Just a moment.”
「ジャスト ア モーメント」
「ジャス タモーメント」
“Give me a break.”
「ギブ ミー ア ブレイク」
「ギミ ア ブレイク」
- 子音が重なり音が消える
“Good morning.”
「グッド モーニング」
「グッ モーニング」
“Just kidding.”
「ジャスト キディング」
「ジャス キディング」
リーダー用絵本は、語彙レベルの合うものを選びましょう。
例えばわが家では、以下のような英語絵本をヤフオクで購入し、使っていました。
※いずれも音声付きです。この音声通りに読めると「グッ」と英語っぽい音になってきます!
- 中国版「Ready Readers (レディーリーダーズ)」
- 中国版「Step into Reading (ステップ・イントゥ・リーディング)」
娘2人も、絵本の音読とリスニングで発音の基礎を身につけました。
見たところ、娘たちは絵本の挿絵から英文の意味を大まかにつかみ、聞いた音声をそのままリピートしていました。
しかし6歳以降からはじめた場合だと英文を和訳することに意識が向いてしまい、音をそのままリピートするのは難しくなるそうです。
③日本語にない発音を集中的に練習
幼少期の娘2人は耳が良く、日本語にない音の真似も上手にできていました。
しかし、綿密な発音練習(唇や舌の動かし方)まではしてこなかったため、現在はいくつかの音における違いが聞き分けられません。
特に以下のような日本語にない発音については集中して練習しておいた方が良かったと、今は思います。
日本人が苦手な発音ワースト5 | |
---|---|
/r/ * /l/ |
/r/: road [roʊd] 舌を丸めて「ゥ+ラ行」の発音 * /l/: load [loʊd] 舌先を前歯裏につけて弾く感じで「ン+ラ行」の発音 |
/b/ * /v/ |
/b/: bus [bʌs] 日本語の「バ」行の発音 * /v/: very [ˈver.i] 上の前歯で下唇をかんで震えさせる摩擦音 |
/æ/ * /ʌ/ * /ɑ/ |
/æ/: apple[ˈæp.əl] 「ア」と「エ」の中間の音 * /ʌ/: bus[bʌs] 日本語の「ア」に近い音 * /ɑ/: box [bɑːks] 「オ」に近い「ア」の音 |
/h/ * /f/ |
/h/: hood [hʊd] 日本語の「ハ」とほぼ同じ * /f/: food [fuːd] 上の前歯で下唇を軽くかんで発声する摩擦音 |
/s/ * /θ/ * /ʃ/ |
/s/: sink [sɪŋk] 「シ」ではなく「スィ」に近い音 * /θ/: think [θɪŋk] 上の歯と舌の間を振動させて擦れる音を出す * /ʃ/: shrink [ʃrɪŋk] 日本語の「シュ」に近い音 |
参照元: Englead
発声指導は、ネイティブ講師(特にアメリカ英語の方)に直接指導してもらうのが理想。
ですが難しい場合は、先に挙げたYoutube動画などで学ぶことも可能です!
④アプリで発音チェックする
①~③を実践していれば、カタカナ英語ではない英語らしい発音になってくるはずです。
練習を続ける中で、お子さんや自分が迷うことがあれば、以下のようなアプリを使って都度確認をしましょう。
- 英語発音ドリルAtoZ (子供向け)
子供向けのシンプルなアプリです。
文字はすべて平仮名ですし、直感的に操作できるので子供1人でも使えます。
録音・再生機能やスコア表示機能があるので、発音改善が期待できます。
- ELSA Speak (大人向け)
上記で紹介したYoutube動画のSummer先生も推奨する、米国サンフランシスコ発のアプリ。
正しくない発音は赤色で表示され、そこをタップすると間違った発音と正しい発音を解説してくれる機能が◎。
音声解析も、「英語発音ドリルAtoZ」より高精度(厳しめ?)です。
幼児期の注意点
幼児期に発音練習をはじめる際、指導者が知っておくべき注意点が1つあります。
それは2~5歳頃は口を動かす筋肉が未発達で、あらゆる発音が不明瞭になりやすいことです。
長女が2~3歳頃に話す英語は、私には伝わっても外国人の講師には通じないことが度々ありました。
実際は英語だけでなく日本語も伝わらないことがあったので、単に口の動かし方がよくできないために起こっていたと後からわかりました。
口の筋肉は成長と共に徐々に発達していくので、無理に矯正しようとせず、気長に取り組みましょう!
6歳を過ぎてからの、カタカナ英語改善方法
特に中学生から英文法中心に学んだ方は、英語がカタカナっぽくなってしまったり、日本語にない音をうまく発音できなくて困ったこと、ありませんか?
実は1歳になる前から英語を学んだ長女(現在10歳)にも、最近こうした兆候が見られるようになりました。。
日本語で日常生活を送る中、「読む(黙読)」「書く」を中心とした英語学習を続けていくと徐々にカタカナ英語になっていくのかと推測しています。
そんなカタカナ英語の矯正には、以下の学習が有効です。
①音読の時間を増やす
6歳を過ぎてからの発音矯正は、英単語(英文)の音読を中心とし、フォニックスを補助的に取り入れると効率よく進められます。
カタカナ英語の原因は、英単語の「各文字」と「各音」を勘違いしていることが大きいです。
これも「読む」「書く」が中心で、「聞く」時間が少ないためです。
そのため、最初にリスニングで「文字」と「音」をリンクさせ、その後で実際に発声を行うことで、カタカナ英語は徐々に解消されていきます。
使用する教材は、レベルに合っていれば何でもいいです。
ただ小・中学生は、英検対策にもなる「パス単」。
中級者(英検3級程度)レベルなら、「話すための瞬間英作文トレーニング」がオススメです。
長女は、以下のステップで音読練習を行っています。
- リスニング
→ 英文の音を確認する - 英文チェック
→ 英文の意味を理解する - 音読
→ 英文を見ながら、お手本の音声通りに発声する - シャドーイング
→ 英文を見ないで、お手本と同じスピード・発音で発声することを目指す
この練習は発音矯正に効果があると同時に、リスニング力や英会話力の向上も期待できます!
ぜひ、試してみてください。
②苦手な音を見つけ、矯正する
①の練習方法だけでも、カタカナ英語はかなり改善するはずです。
そして、さらに余裕のある方は苦手な音にフォーカスした練習も行い、より自然でキレイな発音を目指していってください。
特に「③日本語にない発音を集中的に練習」で紹介した表を苦手とする方は多いので、参考にしてみてください。
まとめ
英語発音の基礎(フォニックス)を、6歳までにやろう!
音をマネする能力の臨界期は、6歳。
ネイティブの音もそのままマネできるので、このアドバンテージを活かして、6歳までにフォニックスを習得しておきたいです。
そうすれば、一度英語から離れても、またキレイな発音を取り戻すことも難しくありません。
一方で、6歳以降に英語学習をはじめた方でも、発音の改善は可能です。
カタカナの音に引っ張られたり、発音に対する恥ずかしさから幼児期よりも時間がかかりますが・・・
英語を「聞く」時間を増やし、音読を通して聞いた音をそのままリピートする練習を繰り返せば、ネイティブの発音に必ず近づいていきます。
さらにYoutube動画やアプリも上手に利用し、通じる発音を手に入れましょう。
発音練習だけで終わらせない!
1人でもできる発音練習を紹介してきましたが・・・
そこで終わったら、もったいない!
自主練を頑張ったら、次は実際に話してみるフェーズ。
外国人の方とたくさん会話をして、「通じるかどうか」を試してみましょう。
英会話教室・オンライン英会話などで英語を聞いてもらえば、自分では気付かなかった間違いを発見できたり、より実践的な発音も教えてもらえるかもしれません。
そして何より、実際に相手に通じた時は手応えを感じることができ、それが英会話の成功体験として蓄積されていきます。
こうした経験を積みながら、自信を持ってキレイな英語を喋れるようにトライしてみてください(*’ω’*)